50代からの登山のはじめかたを、基礎から解説【超初心者向け】

登山をはじめてみたいけれど、「どうやってはじめたらいいかわからない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。登山のはじめ方については、たくさんのブログで発信されてます。


ここでは50代で登山歴10年目の兎山花が、50代からでも無理なくはじめられる、登山のはじめ方のコツを紹介します。

兎山花

この記事は次のような人におすすめ!
・登山に興味がある人
・はじめたいけれど最初の一歩がふみだせない人
・まず登山の全体像から把握したい人

兎山花

私はアラフィフの登山者、兎山花です。関西の山岳グループに所属して登山活動しをています。

 この記事を読めば、無理なくはじめられる登山のコツがわかります。

50代からの登山のはじめかたを、基礎から解説【超初心者向】

目次

登山を始めるのに必要なスキル

富士山
富士山

歩くことが好き 【はじめのうちは高度なスキルはなくていい】

「え、なにそれ?」と思った人もいるかもしれませんが、最初のうちに高度なスキルが必要なわけではありません。大事なのは「歩くことが好き」という気持ちです。でないと、何時間も山の中を歩くことはできません。

私は40代のときに登山をはじめました。きっかけはテレビ番組で好きなアイドルが八ヶ岳を登ってたから。

「いつか八ヶ岳に登ってみたい」を目標に、装備なし、体力なしの普通の主婦が登山をはじめたのです。

スポーツをしていたわけでもなく、ランニングをしていたわけでもありません。でも歩くことは好きでした。運動不足解消とダイエットのため、時々散歩はしていましたが階段は苦手で、駅や神社の長い階段を登るだけで息切れをおこすくらい体力はありませんでした。

体力ゼロだった私ですが、目標としていた八ヶ岳には積雪期をふくめ何度も登りました。今では日帰り登山から、重い荷物を背負ってのアルプス縦走やテント泊までします。登頂山数は約500山、同じ山に何度も登っているので登頂回数としては600回近くになります。

兎山花

大事なのは
・歩くことが好き
・山に登ってみたい
・登りたい山がある

気持ちさえあれば、あなたも登山への第一歩を踏み出せています。

あなたが登山に興味を持った、きっかけがあるはずです。そのきっかけとなった山がどこだったのかを思い出して、目標にしてみてください。「そんなの忘れた」という方は、スマホで「登山 おすすめ」と検索したり、登山雑誌を読んだりして、目標にしたい山を見つけるのもいいですね。

早起き 【安全登山への第一歩】

早起きは大切です。早く起きて行動すると、時間に余裕ができます。

登山では、14〜15時頃を下山完了の目安にしてください。市街地と違い山の中は、樹林が陽光を遮るので日没前でも薄暗いです。

また15時を過ぎると登山者の数も減ってきます。辺りが薄暗くなり、人気のない登山道は心細いです。気持ちの焦りは、道迷いを引き起こし、転倒や滑落の要因にもつながります。

14〜15時を下山完了の目安に登山計画を立てましょう。登山雑誌や『山と高原地図』、ネットなどに目的とする山の標準コースタイムが載っていますので、下山を完了したい時刻から逆算して、登山開始時間を設定してください。

標準コースタイムは歩き慣れている登山者向けの歩行時間ですので、初心者の方はコースタイムの1.3倍を目安に時間計画を立てましょう。また標準コースタイムには休憩時間も含まれていません。

登山初心者さん

コースタイムって何?

兎山花

コースタイムとは、その山の登山口から下山口までのコースの歩行時間だよ!同じ山でもコースによって歩行時間は違うからね。また休憩時間も含まれてないからね。

登山初心者さん

じゃあ計画を立てるときに、私は初心者だからコースタイムを1.3倍して休憩時間を足したらいいんだよね。

兎山花

1.3倍は一つの目安だね。人によってはそれよりも歩行に時間がかかる人もいるから、最初のうちはコースタイムが3〜4時間までの山をさがすといいよ!

登山初心者さん

コースタイム3時間の山の場合、3時間✖️1.3倍=約4時間
【4時間+休憩1時間=5時間】
登山口から下山口まで5時間で、計画したらいいんだね!

兎山花

そうそう!

登山初心者のうちは、コースタイム3〜4時間の山をおすすめします。14〜15時に下山予定で登山計画を立てると、自ずと自宅を出発する時間が決まるはずです。

また万が一、予定していた下山時刻より遅くなった場合でも、日没までにはまだ時間があるので、行動に余裕がもてます。登山中の事故は、特に下山時に発生します。道に迷ったり、転んでケガをしたりする原因には、焦りや不注意によるものが多いです。

早起きは、登山の事故防止につながります。時間と気持ちに余裕がある登山を心がけましょう。寝坊してしまった場合、潔く予定していた登山を諦めることも大切です。

登山に適した服装や最低限の装備を知っている

服装【化繊素材の衣類ならOK】

化繊素材の衣類が登山には適しています。化繊素材の衣類は速乾性があり、湿気がこもりにくく、常にドライな状態で肌を保ちます。汗で蒸れにくく、汗冷え対策にも有効です。



綿製品は吸水性に優れているので、汗や雨で濡れた時に衣類が乾きにくく、登山には向いていません。暑い季節は蒸れ、寒い季節は汗冷えを起こします。夏場、蒸れて暑いと熱中症を、冬場、濡れた衣類は低体温症を引き起こす要因になります。

綿が混合されていない化繊素材の衣類であれば、登山用でなくても十分対応できます。


また登山の場合、夏場でも日焼けやケガの防止、虫刺され予防のために長袖、長ズボンで登ることをおすすめします。

シャツやズボンだけでなく、下着や靴下を含め、身につける衣類はすべて綿が混合されていないものにしましょう。

兎山花

登山に適した服装
・長袖、長ズボン
・綿が混合されていない化繊素材の衣類

最初は、手持ちの服で、綿が混合されていない、化繊のジャージや
長袖Tシャツで大丈夫だよ。

装備【まずはスニーカーとリュックでハイキングへGO!】

歩きやすいスニーカーや両手のあくリュックサックがあれば、ハイキングから気軽にでかけてみましょう。

登山靴でなくても、整備されたハイキングコースであれば、スニーカーでも楽しめます。

はじめての方は登山ウェアや登山靴や登山用リュックを買う前に、一度ハイキングコースを歩いてみましょう。ただし必ず両手のあくリュックサックタイプのかばんで歩いてください。

もちろん、形にこだわる方は、アウトドアショップやスポーツショップで気に入った登山靴やバックパックを買ってから歩きはじめるのも良いです。新しい道具はテンションもあがり、登山者気分も味わえます。

兎山花

登山時の持ち物
・昼食
・行動食
・飲料
・上下セパレートタイプの雨具
・救急セット
・ヘッドランプ
・汗ふきタオル
・日焼け止め
・帽子
・上着
・あれば『山と高原地図』などの登山地図

登山はこのような人におすすめ 【チャレンジしたい気持ちが大事】

  • 歩くことが好き
  • 早起きができる
  • 新しいことにチャレンジしたい
  • ー生涯できる趣味をもちたい

登山の基本は「歩く」です。何時間も山の中を登ったり下ったり、よじ登ったりします。雨の日や、風の日、コンディションの悪い日もあります。粘り強く歩き続ける力は最強の武器になります。

早起きをして、朝早くから歩き出しはじめると時間に余裕が生まれます。時間に余裕のある登山は、気持ちにゆとりのある登山につながります。周囲に気を配ることによって、危険を察知でき、天候や気温の変化にもいち早く気づくことができます。安全登山への第一歩は早起きです。

登山はチャレンジの連続です。体力に自信がつくと、土曜日は○山、日曜日は△山というように、二日間連続して歩いてみたくなります。連続して二日間歩けると、今度は山の中に泊まりたくなります。新しいチャレンジによって、どんどん自分の登山レベルが進歩していることを感じられます。

登山は50代からでも十分、はじめられるスポーツです。70歳、80歳になっても現役の登山者はたくさんいます。

最初は私も生涯登山をやろうなんて考えてもいませんでした。しかし今では、あと何年現役で歩けるかな、この山はもっと歳をとったときにでも登れそうだな、なんて考えています。80歳になっても山を歩き続けらる力は、日常生活の質の向上にもつながります。

50代、初心者からのスタートでも登山は十分可能です。新しいことにチャレンジをしたい、山を歩きたい前向きな気持ちと、早起きを心がけるだけであなたもスタートラインに立てます。あとはその気持ちを行動に移すのみです。

登山をはじめるのに適した季節

桜

ベストシーズンは「春」です。

春は新しい生活がスタートする時期でもあります。でも登山において、理由は他にもあります。

夏 【猛暑日は避けて、水分補給をしっかりと】

夏は暑いです。山が涼しいのは高山だけです。関西近郊の低山は、市街地よりは若干涼しいですが、暑いです。もう汗だくになりますし熱中症の心配もあります。特に登山をこれからはじめる季節には少し不向きですね。

それでも今これを読まれている季節が夏で、もうこれまでの記事を読んで、はじめる気になっているのであれば歩いてください。暑いのを覚悟で、水分補給をしっかり行なって、こまめに休憩をして、無理のない範囲ではじめてください。

猛暑日は避け、休憩をするときは必ず日陰で、水分をしっかりとる。

そしてなるべく短いコースを選んで、歩き出しの時間を早めましょう。可能であれば早朝6、7時から登山を開始してください。
早朝の気温は午後と比べてだいぶ低く、歩きやすいです。できればお昼までに下山できるコースが良いです。

私も夏は日の出とともに歩くようにしています。午前中の間に登山を終え、午後からはのんびり過ごします。

休みの日に、朝からだらだらと一日を過ごすのと、午前中に登山をして午後、のんびり過ごすのでは充実感が全く違います。

兎山花

夏の登山
・水分補給をしっかりと
・日陰で休憩
・午前中の涼しいうちに登る
・虫除け対策
そして気分が悪くなったらすぐに下山してね。

冬 【初心者のうちはおすすめしません】

雪山

冬に登山をスタートすることを、私は初心者におすすめできません。50代初心者の方はまだまだ装備もない、知識もない、技術もない、体力もない状態です。市街地に雪が降っていなくても、山には雪が降っていることが多々あります。関西近郊の低山といえど侮ってはいけません。アイゼンなどの装備がない状態で登山道が凍ると足元が滑り、滑落や転倒の原因になります。気温がそこまで低くなくても強風が吹けば、体感温度が下がり、低体温症になる恐れがあります。午前中が晴れであっても、途中でお天気が急変することもよくあります。

春はすぐそこです。今はあたたかくなるまで待ましょう。冬の間にお散歩や筋トレをして、春の登山スタートまで、今のうちに基礎体力をつけておくのもいいですね。

兎山花

冬は春の登山に向けて基礎体力をつけよう!

秋 【登山をはじめるのに適した季節】

秋の紅葉

春と同じく秋も登山をはじめるには良い季節です。ただせっかく登山を始めたのに、冬のあいだに活動ができないと、春の活動開始まで期間があいてしまいます。もちろん、秋の間にしっかりと歩き、体力をつけて、冬登山の装備を揃えてから、温かい日に冬の低山に挑戦するのもありです。

また秋に登山をはじめて、冬の間は、登りたい山をさがしたり、登山知識を高めたり、装備を少しづつ揃えたりして春の登山再開を待つのもいいですね。

兎山花

秋も登山には最適な季節だよ。
冬も歩きたいならしっかりと秋の間に体力をつけて、装備も揃えてから
冬の登山に挑戦してね!

春 【春からはじめるのが一番ベスト】

白山

50代の初心者が登山をはじめるには一番ベストなシーズンです。

まず、気候がおだやかです。春は花も芽生え、木々の緑も豊かになる季節です。春の訪れを感じながら歩くのは清々しい気持ちになります。

春の間にコンスタントに歩いておけば、自分のペースがわかるようになった頃に夏が来ます。登山に少し余裕をもてる頃に夏がくるので、歩く時間帯や、暑い時期の水分補給のタイミング、休憩の仕方などを自分なりに工夫できます。いかに快適に安全に歩き続けられるかがポイントです。

春、夏と2シーズン登山を続けていると登りたい山が少しづつ増えてきます。秋になり気温も快適になると、もっと山に登りたくなるでしょう。どんどん登りたい山に挑戦してください。

ただし台風情報は重要です。目的の山の周辺でなくても台風が日本付近で発生している時は登山をお休みしましょう。

冬がやってきます。春、夏、秋としっかりと歩けているのなら冬装備を揃え、装備を備えた上で冬の低山にチャレンジしてみるのもいいですね。冬は空気が綺麗なので山頂からの眺望がクリアです。虫もいませんし、汗もかきにくいです。風がなく天気も安定している日であれば、心地よく登山ができます。

私は冬の登山が一番好きです。冬山は関西の市街地では見ることのできない景色を見せてくれます。樹氷、霧氷、氷瀑、氷柱、氷花、今まで見たことのない景色に冬山では出会えます。

兎山花

春に登山をはじめることは、年間を通して少しづつステップアップできるので、一番おすすめだよ。

登山継続のコツ 【歩き続けることが大事】

登山を継続させるコツは、歩き続けることです。


毎週歩けとはいいませんが、月に1〜2回必ず登山に行くのがポイントです。登山に行くたびに体力がついてきたことを実感できます。夏場、暑い季節は少々の雨でも山に登ってみてください。案外、夏の低山は雨が降った方が気温も下がり、気持ちよく歩けます。もちろん足元には十分注意してください。そのうち忙しくて、しばらく登山に行けない日が続くと、無性に山に登りたくなるはずです。

私の場合、ほぼ毎週登っています。忙しくてしばらく週末登山に行けないとなると、次の山行でちゃんと歩けるかなと不安になります。そこで登山を諦めるとますます山から遠ざかってしまうので、山に行けるときは、少し億劫なときでも山にでかけるように心がけています。行ってしまえばなんとかなるもので、多少登り始めはしんどいですが、すぐに慣れます。

「継続は力なり」

兎山花

しばらく登山にでかけることができない時が続いても、諦めずに細く長く、無理なく登山を続けることが大切だよ!筋力と体力はすぐに取り戻せるからね。

登山を始める際に知っておきたい注意点3つ

ここではハイキングや登山をはじめたときに必ず守ってほしい注意点をお伝えします。

  • ゴミは必ず持ち帰る
  • 石を落とさない
  • 山の植物を採取しない

ゴミは必ず持ち帰る 【落とし物はゴミになる】

山でなくても当たり前のことです。自分で持って行ったものは全部持ち帰ってください。よく帽子や手袋、上着、サングラスなどの忘れ物、落とし物を山で見かけます。

山での落とし物はあなたにとっては大切なものでも、山にとってはゴミでしかありません。

休憩したら、必ず振り返って忘れものがないかを確認しましょう。

石を落とさない 【3つの石に気をつけよう】

石を落とさない歩き方を心がけましょう。小さな石でも転がると、大きな落石を引き起こす原因になります。登山をしていると落石に遭遇する確率が高いです。体力があってドタバタと歩いている人の近くにいるのは危険です。丁寧に歩きましょう。

兎山花

山では3つの石に気をつけよう!
・落とす石(落とさないでね)
・落ちてくる石(上方に注意をはらおう)
・落ちている石(つまづかないでね)

山の植物を採取しない 【撮っていいのは写真だけ】

自然に生えているからといって植物を採取してはいけません。その山でしか生息できない貴重な植物がたくさんあります。たとえ採取して持ち帰っても市街地では根付きません。撮っていいのは写真だけです。

その植物が気に入ったのであれば、ぜひ来シーズンもその山に登りましょう。

登山で大切なこと 【途中下山は失敗ではない】

道標

登山で大切なことは、安全登山につきます。ケガをしない、ケガをさせないためにはどうやって登山をしたらいいのか、いつも念頭においてください。


登山には装備や技術がたくさんあります。しかし目的は全て、安全に快適に山を楽しむためのものです。

ケガをすることは山に行けないことに直結します。50代でケガをしてしばらく山に行けないとなると、体力も筋力も、さらには気力も落ちてしまいます。擦り傷や打ち身、虫刺されはよくありますが、登山がしばらくできなくなるような大きなケガはしないように私は常に心がけています。登山中、ここのコースは自分に無理そうだと思ったら潔く諦める、登山途中に体調が悪くなった時も、その日の登山は諦めて下山を決意することが大切です。

例え、予定していた山頂や目的地まで行けなかったとしてもその登山は失敗ではありません。安全に登山をするために、途中下山という道を選んだだけです。登山では、安全に下山することが成功なのです。

例え、予定していた山頂や目的地まで行けなかったとしてもその登山は失敗ではありません。安全に登山をするために途中下山という道を選んだだけです。登山では、安全に下山することが成功なのです。



ここまで読んでくださりありがとうございます。


このブログを読んで、「私でも登山をはじめられそう」と思った方は、早速明日から早起きをしてみてください。早起きができれば安全登山のための第一歩が踏み出せています。

登山をはじめたいけれど、「自分に合わなかったらどうしよう」って悩んでいませんか。答えは簡単です。

自分に合わなければ、やめたらいいのです。趣味は他にもたくさんあります。無理して山に出かける必要はありません。

まずは、やってみる。合わなければやめる。簡単なことですよ。

このブログを読んで、あなたの人生の転機になってくだされば嬉しいです。

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